FUJIROCK2021 道中プレイリスト解説

はじめに

去年の無念を晴らすべく今年こそ苗場へ向かう。が、取り巻く状況の変化に三日間のキャンプ参加は断念し、直近の状況を様子見しながら土曜日一日だけ参加しよう、と考えている内に土曜一日券の売り切れアナウンスを呆然と眺めた私達。今年はそもそも全員揃って一台の車で行く計画ではなかったけれども、苗場に向けた、あるいは苗場からの帰路、その車内で本来ならみんな揃って聴くはずだったプレイリスト2021年版の解説です。

 

r29rukiの「2021FUJIROCK」をApple Musicで

 

M01 「ばいばーい」 aiko / どうしたって伝えられないから

今年発売されたaikoの最新アルバムの1曲目を飾る一曲ですが、これは体よくJ-POPの皮を被った呪詛です。aikoの失恋・悲愛を歌った曲は数あれど、キャリアを積んだ上で未だにこんな生々しく裏切ったかつて燃えるほど愛した相手への恨みを歌い上げられるものなのか。仮に実話だとしてももちろん怖いし、フィクションでもこんな歌詞が書けるaikoが本当に恐ろしい。私は初聴時あまりの衝撃でこの曲の途中で再生を止めてしばらくアルバムを聴くことができなかったとか。

M02 「炎」 真心ブラザーズ / Cheer

続いては真心ブラザーズの昨年発表された最新アルバムのリード曲をご紹介。こちらも長いキャリアを経てまだまだキャッチーな曲を作れるベテランの底力を感じる一曲です。ギターソロで終わるという展開も素晴らしい。こちらは1カメ1カットの踊ってみた風のMVも良いので是非。微妙にちょっと前のトレンドを取り入れてる感じがいかにもベテランという雰囲気で微笑ましいです。

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M03 「渚のラプソディー」 婦人倶楽部 / フジンカラー

カメラ=万年筆の佐藤望氏が佐渡ヶ島在住のご婦人をボーカルに据えて佐渡の風景を歌い上げるというコンセプトのユニット。リリースは2016年と少し前ですが新潟への道中ということでのセレクト。婦人倶楽部と言いながら(恐らく)佐藤望氏がリードボーカルを取ってるこの曲を選んだのは単純に私の好きな曲ということで。ひたすら佐渡の名産・景色を歌い上げるだけの歌詞も面白い。

M04 「走れ正直者」 中塚武とvideobrother / 走れ正直者 - Single

カバー枠その1。五輪開会式の音楽も一部担当したことでも話題になった中塚武氏によるちびまる子ちゃんのEDでお馴染みの西城秀樹の名曲。高速スカのアレンジで爽快感は抜群です。ジュリーのTOKIOのカバーとカップリングされ7inchでリリースされていた曲ですがサブスクでも聞けるのでTOKIOの方も是非。

M05 「氷の世界」 H ZETTRIO / SPEED MUSIC ソクドノオンガク vol.2

カバー枠その2。これまではフェスやサーキットのライブが新しい音楽との主な出会いの場であり、在宅での音楽digが正直得意ではない私には昨今の状況は大変辛いものではあったのですが、その中でtvkの番組を良く見るようになり番組内やCMで紹介される曲が新たな音楽との出会いになっていたような気がします。そんな中特に耳に残ったのが「ソクドノオンガク」という番組でH ZETTRIOがカバーした井上陽水氏のこの曲。最早Aメロだけでは原曲がなんなのか判別が非常に困難なほどですが3ピースインストバンドの表現力恐るべしといったアレンジは白眉。フジ本番にも出演するし、ということで選曲。

M06 「Cats & Dogs (feat. カネコアヤノ)」 KID FRESINO / 20,Stop it.

HIPHOP以外なら何でも聴くよ」と答えることでお馴染みの私でしたが、流石に昨今の流れでHIPHOPも多少聴いたりするように。そんな中フレシノくんは声も綺麗でキャラクターも愛され感満載ですごく聴きやすいなあという印象があります。こちらも今年のフジ出演するしということと、カネコアヤノも別日だけど出演するしコラボ曲聴いてみたいんですよねーという話を車内でしたかったなという意図で選曲。結局フジでのコラボはなかったなー、と思ったらCOASTでツーマン決まりましたね。

M07 「ODDTAXI」 スカートとPUNPEE / ODDTAXI ORIGINAL SOUNDTRACK

そんなHIPHOP的な流れからもう一曲、こちらはスカートとPUNPEEのコラボ。これは楽曲もそうですがアニメODDTAXIがすごく面白かったのであまりアニメ作品に積極的にアンテナを張ってないであろうと思われる同乗者達におすすめしたい気持ちで。ということでまだODDTAXI見てないそこのあなたはAmazon Prime Videoで全話見られるので今すぐ見てください。どうぶつさんたちだいしゅうごうだわいわいのにちじょうほのぼのアニメで楽しいですよ。あと見終わって面白かったなと思ったら忘れずにYoutubeのオーディオドラマも聞いてくださいね。

【アニメ本編】

Amazon.co.jp: オッドタクシーを観る | Prime Video

【こっちはオーディオドラマ(本編視聴後の視聴を推奨)】

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M08 「ミライサーカス」 nuance / mirai circus - EP

今年のアイドル枠。tvkの番組(というかCM)で聴いて耳に残ったシリーズでもあります。「横浜の商店街を盛り上げるアイドル」というコンセプトで集められた特異な出自のアイドルでありながらライブでは生バンドをしたがえ、しかもその編成はツインベースツインドラムという謎の気合が入りまくり。果たして第二のオサカナちゃんになることは出来るのか。他にもフックのあるアレンジが施された楽曲多数で注目してます。

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M09 「コハルヒ」 RAY / Yellow

今年のアイドル枠その2。・・・・・・・・・(ドッツトーキョー)のスタッフがドッツ解散後の新たなプロジェクトとして立ち上げたグループで、この曲は今年リリースされた新曲ですがど真ん中のドリームポップで狙ってるおじさんの層が明確で非常に良いです。昨年配信ライブを観た時には生歌に課題があるなあと感じたけど、顔出しNGだったり「生体デバイスを通してアイドルの心拍数を感じられます」みたいな尖ったアプローチしてたドッツよりちゃんとアイドルしてる(チェキ会とかちゃんとやってる)のでこちらも是非頑張ってほしいです。

M10 「Something Comforting」 Porter Robinson / Nurture

ラストはEDM界の寵児であり日本のオタク文化大好き君としても知られるPorter Robinsonの昨年リリースされた新譜から私の一番好きな楽曲を。そしてポーターと言えば昨年・今年と2回に渡ってコロナ禍で開催されたバーチャルフェス・Secret Skyがめちゃくちゃ良かった。オーガナイザーとしての取り組みももちろん、トリを飾った本人のVJと渾然一体となったパフォーマンスは本当に一見の価値有りなので、まだ観ていない方は下記リンクから是非ご覧になってください。

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ちなみに今年のフジ配信を観ながらも感じたことですが、DJ・アイドルに限らずロックミュージシャンのライブも最早視覚も含めてオーディエンスをロックする時代になったのだなあと強く思ったりもしました。機材のハイスペック化やインフラの発達もあるし、今まで通りのコール・アンド・レスポンスのような盛り上がり方がやり辛い状況がどこまで続くかわからない現状、今後ますます配信含めたライブパフォーマンスにおける視覚映像効果の占める役割が強くなっていくんじゃないかと考えています。

 

そんなこんなで以上が今年の10曲です。お付き合いいただきありがとうございました。

 

さいごに

なかなか筆が乗らずにプレイリストを公開してから時間が経ってしまいましたが、改めて解説を書いてみるとMV良いねライブ良かったねみたいな曲を多数入れていたので解説がないとなんのこっちゃな選曲だったなあと思ったので書けてよかったです。(まあ、車内であれこれと話しながら聴けるのが一番ではあるのですが。。。)

今年も機会を与えて頂き、ケツも叩いてくれたdaisuke氏(@DIECEK)、ありがとうございました。氏のプレイリスト及び膨大な解説ももちろんあるので是非みなさんも聴いてみてください。(私の選曲もマージされたようなのでこっちだけで良いかも笑)

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さいごのさいごに。指名されてブログの記事を書くというこの感覚、往年のミュージックバトンを思い出したよ。おじさん並の感想だね。