2021ライブ10選(前編)

2018年以来となる参加ライブ振返りエントリです。2020年の暮れ頃、新型コロナの影響が少し落ち着きの気配を見せつつあったお陰で滑り込みで何本かライブを見ることができ、来年こそはこの遅れを取り戻すぞと息巻いていたものの御存知の通り年末年始あたりから再びコロナの勢力は増すことになり、2021年も思うようなライブ参加ペースとは行きませんでした。とはいえなんとかちょうど10本*1の公演に現地参加出来たので当時の記憶をどうにか掘り起こしながらその10本をご紹介します。

1. 4/30 私立恵比寿中学@パシフィコ横浜国立大ホール

本来であれば2月に開催される予定であったものが諸々の影響で4月末に延期されたものであり、東京都では直前に緊急事態宣言が発令されたこともあって開催地が横浜でなかったらおそらく有観客での開催はされていなかったこの公演。*2依然として厳しい情勢ではあったものの、6人体制の私立恵比寿中学の実質ラスト公演を見届けるべく、強い気持ちで参加しました。

 

内容は数曲ごとに各メンバーがフィーチャーされるような選曲がブロック毎に続くセットリスト。2階席中央から見下ろすような座席だったため、メンバーの複雑なフォーメーションチェンジを含む振り付けがこれまで観たどの公演よりも良く見え、かなり早い段階で涙腺が緩みつつあったのですが、最終ブロックでは病気療養中であった安本彩花の映像もスクリーンに映し出された結成からの10年を総括する楽曲"HISTORY"から、岡崎体育によって練り上げられた6人の名前が歌詞に織り込まれつつアイドルとして舞台に立ち続けることの強い決意を歌った名刺代わりの一曲"Family Complex"へと雪崩込む流れで完全に私の涙の堤防は決壊してしまったのでした。みんな…本当に頑張ってる…。

 

 

2. 9/25 私立恵比寿中学@秩父ミューズパーク

再び私立恵比寿中学ですが、こちらは2017年から毎回参加している生バンドによる生演奏かつ、声援禁止・サイリウム禁止・着席のみというエビ中の「歌心」を聴かせるコンセプトの公演。なお先の横浜公演の直後には予てからのオーディションで選考されていた新メンバーが加入し9人体制となっており、安本彩花復帰後初のフルメンバーでの公演ということもあってこれまでの"ちゅうおん"*3ともまた違う緊張感が漂っていたというか、勝手にそんな雰囲気を感じていたような気がします。

 

しかしいざ蓋を開けてみればそこにあったのは良い意味でこれまでとなんら変わらない"ちゅうおん"の姿。恒例となった各メンバーソロでのカバー曲コーナーはメドレー形式となり、よりテンポよく公演が進んだのも、夜冷え込む秋の秩父で非常に楽しく公演を観られた要因だったように思います。また新メンバー3人がわずか半年で歌唱力を底上げしてきたのも非常に印象的でした。そして何より個人的にはこの公演の後しばらくの休養期間に入ると発表していた柏木ひなたによる鋭い眼光が光る"大人はわかってくれない"とKing Gnu"白日"のカバーがあまりにも素晴らしく、しばらくあの眼が頭から離れなかったです。

 

 

3. 10/11 ライブナタリー×SHINJUKU LOFT KABUKI-CHO 20TH ANNIVERSARY『地下室の喧騒』@LIQUIDROOM

2020年3月から2020年6月へ、そして2020年6月から2021年10月へと2度の延期を経て遂に開催された新宿LOFTの20周年記念イベント。コロナ対策ガイドラインに従う形で会場がLIQUIDROOMに変更となったものの、個人的には実に1年半ぶりというライブハウス公演に緊張と不安が巻き起こる開演前。

 

先行はZAZEN BOYS。切れ味鋭い武道の演舞のようなアンサンブルが根底にあるのは言わずもがなとして、今回の共演相手が卓球ということを意識してなのかKraftwerkのカバー【Computer Love】を織り交ぜたり*4、先のナンバーガールとの対バンでも披露していた昭和歌謡アイドルのような振る舞いが垣間見えるチャーミングな【はあとぶれいく】だったりとリピーターも楽しめる内容でございました。

しかしやはりなんと言っても印象的だったのは久しくライブで披露されていなかった【半透明少女関係】でございましょう。あのリフが前触れ無く始まった時は歓声が上げられない環境に歯軋りをしつつも、ライブでお馴染みのアレンジである祭囃子パートで向井の掛け声に身振り手振りで応える聴衆の姿に演奏と同じくらい心を揺さぶられました。

 

そして後攻の石野卓球に関してはド頭の出音からとんでもなくデカい音がスピーカーから出てきて思わず笑っちゃったりしましたが、決して耳障りなものでなく体全体を使って音を感じることがこんなにも幸せなことなのかと改めて感じた約1時間。

またここ2年ほどでDJ機材の使い方を少し覚えたこともあって、以前フジロックで観たときよりも手元で何をやっているのかをイメージしながら観られたのもまた前と違った楽しみ方が出来て良かったなと思ったのと同時に、終始楽しそうにプレイするDJはやっぱり観てるこっちも笑顔になるよねと大変勉強になったのでした。

 

 

4. 10/31 おーたけ@じぇーむず @割烹DISCO大蔵

高円寺の街全体で行われるその名もズバリ「高円寺フェス」の一環として割烹DISCO大蔵の店内で行われた一寸先闇バンドのフロントマンおーたけ@じぇーむずさんの弾き語りライブ。今年の5月頃にtvkの番組にゲスト出演されていたのをきっかけに一寸先闇バンドを知りその後良く音源を聴いていたのですが、目の前で披露されたアコギ一本の弾き語りとは思えない力強いパフォーマンス(と、瓶ビールをステージドリンクにする豪快さ)に完全に虜になってしまいました。というか私だけでなくあの場にいたDJ陣は男女問わずみんな目がハートになってた気がするよね。

 

当日は何故かサザン関連の楽曲しかスピンしないDJに囲まれるという地獄のようなタイムテーブル*5でさぞやり辛かろうと思っておりましたが、サウンドチェックの流れで小気味良いアコギのカッティングを鳴らしながら【LOVEマシーン】や【夏色】といった我々世代を釣り上げるヒット曲のカバーメドレーでしっかりと場を温めてから自らの楽曲を披露していくという導入は歴戦をくぐり抜けてきたライブパフォーマーという感じで天晴。

名刺代わりの【一寸先闇】から始まり、DJ居酒屋という場所柄非常に盛り上がった【テキーラ】やダイナミクス溢れる演奏とボーカルが印象的な【日記】、当時リリース前だった新曲【知らんがな】などの楽曲を経て最後の楽曲はもちろん【高円寺、純情】で大団円。文句なし。皆様も彼女のライブを見た際は是非「おーたけ@じぇーむず良かった」と感想をつぶやきましょう。

 

 

5. 11/7 TSINGTAO COLLECTION 11th Anniversary@下北沢BASEMENT BAR

界隈における共通の知人多き名イベンターであるチンタオこと青島将司氏の主催するDJありライブありのイベント、『TSINGTAO COLLECTION』の11周年かつ自らの30歳を祝うスペシャルな回。普段から高円寺で飲み語り合っている友人K.KAZUMA氏・APO氏両名が"ロックが流れる"*6クルーとしてDJ出演するということで遊びに行ったのですが、3組のバンドがとにかくどれも素晴らしいアクトでございました。

 

バンドアクトのトップバッターを努めたのはLAIKA DAY DREAMのVo/GtであるKazutoshi Lee氏。美しいメロディに少し憂いのある綺麗なボーカルが乗るというまさに美メロな楽曲達。それでいて少しトリッキーなコード感のある伴奏は弾き語り形式なのにバンドでの演奏が浮かんできて一言であらわすならまさに「俺のツボ」って感じでした。当たり前のように演奏後即物販でCDを購入。

その後転換DJを挟んでのサンサーラブコールズは冒頭はフードを頬張りつつ客席端の方で観ていたものの、初っ端からフロアと呼応しまくる激しいパフォーマンスに居ても立っても居られず気がつけばフロア中央で爆踊りしている爆踊り太郎ことロックが流れるクルーに混じって私も爆踊り。

 

バンドアクトラストのMississippi Khaki Hairは始まる前からバンドメンバーもDJの曲で爆踊り。演奏が始まれば当たり前のようにステージもフロアも皆で爆踊り。気づけば増える爆踊り太郎たち。なんだこれ。楽しい。楽しいよ。まだ声は出せないけど、友達と一緒に体を動かしながら全力で観る、いや参加するライブがこんなに楽しかったなんて。徐々に開催されるイベントの数が増えつつある中、デカイ音で演奏される音楽を聴きながら体を動かし友達と笑い合うことの素晴らしさを改めて感じてピースがカチッとハマった気がした夜でした。

 

 

やっと半分…流石に長くなりすぎてしまったので後編へ続く!

r29ruki.hatenadiary.org

*1:2020年は無念の9本でフィニッシュ。

*2:翌週のZepp Tokyoでの昼夜2公演は直前で無観客有料配信のみに変更された。

*3:本公演のタイトル"エビ中 秋声と螻蛄と音楽の輝き 題して『ちゅうおん』2021"のこと。

*4:これ以前のイベントでも披露していたらしい。でもあくまで照準はこの公演だったのでは。

*5:サザンを愛する大蔵の店長から以前より「10/31にサザン流しまくるイベント企画しようと思うので是非お願いします!」と言われて予定していたものの、そのイベント自体が高円寺フェスのコンテンツに組み込まれていると知ったのはなんとわずか5日ほど前。

*6:2コーラス以上必須、フルがけ推奨の「かっこいいロックをかけきる」がコンセプトのロックDJパーティー。明大前のCafe Bar LIVREにて月イチのペースで絶賛開催中!