はやりもの

 最近僕の学校でもホワイトバンドを付けている人をよく見かけるようになった。7月の初めは僕以外に付けてる人はほとんど見なかったけど、終業式前後から段々と人数が増え始めてきた。


 先日友達とホワイトバンドについて少し話した。その友達もホワイトバンドを割と早い時期から付けている。彼と話していて、僕ら二人ともホワイトバンドに同じ意見を持っていることに気が付きました。「しばらくしたら、みんな外してそうな気がする・・・」

 先週の終業式で体育館に集まった時、僕がホワイトバンドをしていることに気付いた他のクラスの子がもの凄い勢いで食いついてきました。「それ欲しいんだけどどこも売り切れで嫌んなっちゃうよー」と。

 その時、別の友人も僕のホワイトバンドを見て話しかけてきました。「いいなーそれ、ベッカムが付けてる奴だろ?」と。

 結局みんな貧困に苦しんでる子供じゃなくて、ホワイトバンドを腕につけ、パチンと指を鳴らしている憧れのスター達が「ほっとけない」んだ。

 人に買ってもらったお前はどうなんだとお叱りを受けそうですが、買ってくれた方にはしっかりお金を払いましたし、せっかくの機会なのでこうやって意思表示をしているわけです。僕らが出来ることといったら、それこそ出されたものを残さず食べることくらいしか僕には思いつきませんが、数少ない僕らに出来ることを僕はやっているわけです。

 「ほっとけない」アフリカの子供達に出来ることって言うのは、ホワイトバンドを買う事じゃなくて、もっとそういう問題に対して何が出来るのかを考える事じゃないかな。もちろん、ホワイトバンドがそのきっかけになるのは大いに結構なことだけど。