フェアな殺人者

イチローが犯人と言うことで以前から何かと話題になっていたこの話。
確かにイチロー演義が上手かった。下手な役者より全然役者だった。びっくりですがな。
保安室のシーンはもの凄い茶番でしたが、それ以降は割としっかり演技もしていたし、
引退したあとは普通に役者をやっても全然いけるんじゃないかと思うほどの熱演ぶり。
そして小田嶋さくらに続いてイチローにもデコパッチンを要求する今泉。
今泉というか、西村雅彦が割と本気で嬉しそうだった気がする。(笑


しかし何に一番驚いたかってこの話の真の主役が向島君だったこと。
長いシリーズの終盤に来て、ようやく彼に日の目が当たる日がやってきたのだと思うと感慨深いものが
ありますが、イチローに合わせたんだかなんだか知りませんがかなり脚本に無理があったような・・・


前話で述べられていた通り、今回の話は向島君がホテルの保安課に転職するところから話が始まるの
ですが、いきなりイチロー向島君が腹違いの兄弟だったというとんでもない設定。


向島君と言えば、ひいおじいさんは皇民党事件を取り締まったこともあるという、
警官一家の東国春家の五人兄弟の末っ子として生まれる。
元チーマーだった奥さんを何度か補導していたのがきっかけでゴールイン、向島家に婿養子入り。
向島家はかなりの大金持ちでその内田有紀に激似と噂の奥さんの実家はベルサイユ宮殿級の豪邸。
幾度かの奥さんとの離婚により姓があれこれ変わっているが、前述の日本大使の事件の際によりが戻る。


そんな設定なんてまるでなかったかのようなこの異母兄弟って設定はあんまりじゃないか?
ただ、昨日も書いた通り胸のポッケからストリキニーネを取り出し、
「警察にいた時の友達にもらったんだ・・・」と語る彼の寂しげな表情の裏側に、
今は亡き科研の桑原万太郎の影が見えて少しうるうると・・・って、それって犯罪じゃないの桑原ちゃん?


大体、一千万だろうがなんだろうが、向島家の財力にかかればイチローに相談しなくとも
はした金だったはず。汚れた金を渡したくないと言う気持ちは解るけど、別に
向島家の跡取りなんだからホテルの保安課に転職しなくても事は済んだはずなのに。


謎解きというか、イチローとの対決が多少強引だったり、
全然物語と関係ないところで矛盾しまくってたFINAL第二話ですが、結局我らが向島元巡査も
最後には連行されることに。殺人ほう助になるかどうかは微妙な線ですが。
それから、今泉のおばあちゃんは未だ健在のようです。何歳になってるんだろう・・・